ゼロからの街づくりに、大きな可能性とチャンスを感じて。
- 単身移住
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森山 貴士(もりやま たかし)さんプロフィール
1986年大阪生まれ。大学まで過ごしたあと都内IT企業に就職。
2014年、転職を考え南相馬市へ移住。JR小高駅前のコワーキングスペースをベースに フリーランサーとしてWeb制作やデザインの仕事を行っている。

住民が戻ってくる復興の町に可能性を感じて
「2014年7月に南相馬市に移住しました。仕事の拠点がある小高区は、原発事故以来『避難指定区域』でしたが、 2016年7月に解除され徐々に住民の方が戻っています。震災や原発問題で 制約も多い地域ですが、そこに協力したいと、東京にいたら会えなかったような有能な方がたくさん集まってきています。制約があるからこそ新しい知恵やアイデアも生まれ、たくさんのチャンスがある場所だと感じています」。

スキルが活かせる仕事の機会が次々に
「大学卒業後は東京のIT企業に就職して、デザインやプログラミングの仕事をしていました。一方で、大学では政策を学んでいたこともあり、町づくりには興味がありました。移住のきっかけは2013年、南相馬で活動をされている方との出会いです。南相馬の現状、そして若い人のために新しい仕事を創り出したいという想いに共感し、ITやデザインの仕事であれば自分も役に立てるのではと考えたのです。
いまはWebサイト制作のほか、地元の高校でプログラミングの講師もしています。2015年にオープンした帰還住民のための第一号店舗では、ロゴやサインのデザインをさせていただきました」。

新しい町づくりという希有な機会に関わりたい
「生活する上で不便を感じることはありません。夜にちょっと食べに行けるレストランが少ないことぐらいでしょうか。ないのなら自分で作ろうということで、最近は趣味も兼ねて料理をすることが多いですね。小高の復興は課題もたくさんあると思いますが、世界にも例がないゼロからの町づくりの機会と捉えると大きな可能性に満ちています。高齢者のための生活支援ロボットやITを活用したインフラ整備など、様々な新しい挑戦が生まれていくでしょう。自分ができる仕事をしっかりとこなしながら、できる限りそこに関わっていければと思っています」。

編集後記
森山さんが暮らす南相馬市小高区は、2016年7月に原発事故による避難指示が解除され、住民ゼロからのまちづくりという前例のない取り組みがスタートしました。小高区を含む沿岸被災地には、震災後、森山さんのように復興まちづくりに関わるうちに移住を決断し、新しいアイディアの実現にチャレンジをしている方が増えています。そういった流れを受けて、南相馬市でも、移住・定住の受け入れを強化しています。ぜひ一度訪問し、復興の最前線を感じてみませんか。
(掲載:2018年4月)