移住希望者の強い味方!移住コーディネーターってどんな人?~いわき・相双・南会津編~
福島県は総面積が「東京+神奈川+千葉+埼玉」よりも広く、多様な気候や風土、文化のなかで、一人一人のニーズに応じた暮らし方や働き方が可能であることが特長です。
このため、福島県では、県内7つのエリアに「移住コーディネーター」を配置し、移住希望者一人一人のニーズに沿った相談対応や、各地域の特性や魅力に応じた仕事・住まいなどのさまざまな情報提供を行い、移住実現に向けたさまざまなサポートを行っています。
では、そんな移住コーディネーターとはどのような方々なのでしょうか?
移住相談で心がけていることに加え、各地域のおすすめスポットなども聞きました!
■福島県の移住コーディネーター紹介~県北・県中・県南編~はこちら!
移住希望者の強い味方!福島県の移住コーディネーターってどんな人? ~県北・県中・県南編~
いわきエリア(いわき市)
\このコーディネーターさんに聞きました!/
いわき地方振興局
鈴木美由紀さん
移住コーディネーター歴4年
移住コーディネーターになったきっかけを教えてください。
私はいわき市出身で、就職を機に上京した後、故郷にUターンしました。他地域で暮らした経験を活かし、客観的な視点も交えていわきの魅力をお伝えしたいと思って移住コーディネーターになりました。
前職で観光の仕事をしていたのでいわきの地理にも詳しく、人と話すこと接することが好きというのも今の職を志した大きな理由です。
いわきエリアへの移住を希望される方はどのような方が多いですか?
いい意味で“変態”が集まっている印象です(笑)。福島の浜通り(太平洋沿岸地域)は震災、津波、原発事故によって大きな被害を受けたこともあり、「福島の復興に力を尽くしたい!」という熱い気持ちを持った移住希望者が多いです。地域再生にはまだまだ多くの人の力が必要ですが、特に避難指示が解除されたばかりの地域は住居や生活インフラがまだ整っていないケースもあるため、いわき市に住んで被災地域に通って活動をされる方が多い印象です。
本年度の移住相談件数を見ると若い世代が60%以上を占めています。過半数が単身者で、なかにはご家族を首都圏に残し、二地域居住を始められる方もいらっしゃいます。
移住相談の際に、心がけていることはありますか?
いわきエリアに来る人はやりたいことや目的がある人が多いので、住まいや仕事に関する情報提供に加え、相談者と関連する分野で活躍されている地域の“人”とおつなぎすることに重きを置いています。地域住民の生の声をお届けすることが移住に向けて大きく前進するきっかけになると考えているからです。
移住後のミスマッチを防ぐためにもここは重要です。
「この人がいる地域なら楽しく暮らせそう」と次の一歩を踏み出そうとする移住希望者にはがっつり関わらせていただいています。ご紹介する人は私自身が顔の見える関係性を築いてきた方々なので、お互いにとって良い形で交流が続くとうれしいです。
また、休日はさまざまな地域イベントに顔を出して地域の生の声を聞き、相談対応時にカタログやHPに載っていない実際の暮らしをよりリアルに伝えられるように心がけています。
いわきエリアの魅力どんなことがありますか?
何と言っても人が魅力的です!いわきの人は「まあなんとかなっぺ」「しゃあんめ(仕方ない)」と、物事をおおらかに受け止める人が多いので親しみやすいです。
いわき市の面積は東京23区が2つ入るほど広く、県内の市町村で一番人口が多い地域です。東北でも雪知らずの地域で、中核都市としての都市的な面と、海も山もある自然豊かな面を合わせ持っており、余暇の過ごし方の選択肢も豊富です。
いわきエリアのおすすめのスポットを教えてください。
江戸時代から続く古民家を利用した「GAMP HOUSE」や、いわき駅前の「Guest House&Lounge FARO」、湯本地区の「Guesthouse & kitchen Hace」などのゲストハウスでは、個性的な店主を中心に、いわきと関わりたい方々との拠点となっており、移住したい方にも溶け込みやすい雰囲気があります。あとは「いつだれkitchen」という投げ銭方式のコミュニティ食堂もおすすめです。「ここに来れば、栄養たっぷりのご飯を子どもにたべさせられるし、地域の方が子どもと遊んでくれて、私も少しの間ゆっくりできる。地域のいいところもわるいところも色々教えてもらっている」とファミリー移住者からの声も聞かれます。
これから移住相談したい方へメッセージをお願いします。
移住というと大きな決断のように感じるかもしれませんが、「そこまで気合を入れなくてもいい」というのが、私自身がUターンをして得た感想です。「ちょっと東京での暮らしに疲れたな」「仕事がうまくいかないな」と思った時にふらっと来てみてはいかがでしょうか。地方都市ならではのちょうどいい暮らしが実現できるいわきエリアで、あなただけの『ふくしまぐらし。』を一緒に見つけていきましょう!!
■ お問い合わせ・ご相談
いわき地方振興局 復興支援・地域連携室
住所:〒970-8026 福島県いわき市平梅本15
TEL:0246-24-6253
E-mail:iwaki.chiikirenkei@pref.fukushima.lg.jp
相双エリア(相馬市、南相馬市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、新地町、飯舘村 )
\このコーディネーターさんに聞きました!/
相双地方振興局
松本克己さん
移住コーディネーター歴6年
移住コーディネーターになったきっかけを教えてください。
仕事を通して地元の復興に貢献したいという思いからです。
私は南相馬市出身で、都内の大学を卒業後にUターンして地元企業に勤めていたのですが、震災と原発事故の影響で小高区にあった事業所が閉鎖してしまい、地域再生に関われる仕事を探している時に今の仕事に出会いました。
震災後の相双エリアは働き手不足が深刻なので、仕事を通して移住してくださる方を増やし、地域の復興に貢献していきたいです。
移住相談の際に、心がけていることはありますか?
被災12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の現状を知らない人も多いので、まずはしっかりお伝えするようにしています。
移住希望者の中には「被災地に貢献したい」「復興の役に立ちたい」という方もいらっしゃいますが、例えば住まいに関しては、原発に近い市町村ほどすぐに入居できるような物件自体が少なく、希望に沿う住居を探すのが難しい状況です。せっかく移住するなら定住して幸せになっていただきたいので、場合によってはもう少し準備が整ってから移住した方がいいと説得することもあります。
あとは余暇の時間の過ごし方を聞いて、例えば釣りが好きなら相馬市の「松川浦」にご案内したり、きれいな星空が見たいという方には川内村や葛尾村をおすすめするなど、一人一人に寄り添った提案をするようにしています。
相双エリアで暮らす魅力を教えてください。
一度人口がゼロになった町では、「より良い町をつくろう!」と住民が皆で力を合わせてまちづくりをしています。一人一人が主役として活躍できるので、まちづくりに興味がある方にはぴったりの地域だと思います。また、相双エリアは子育て支援制度も充実しているので、ファミリー層にもおすすめです。
また相双エリアでは、世界最大級の水素製造能力を持つ実証実験施設「福島水素エネルギー研究フィールド」やロボットの一大開発実証拠点「福島ロボットテストフィールド」などの先進的な拠点があり、さらに「福島国際研究教育機構」が設立予定と今後ますます活気が出てくると思います。
今後の抱負をお聞かせください。
これまでは移住者を呼び込む施策を中心に行ってきましたが、それぞれの市町村に移住支援窓口ができてきたので、今後は先輩移住者と実際に会って交流できる場をつくるなど、移住後の暮らしをサポートする取り組みも行っていきたいと考えています。小さな悩みやご相談でも構いませんので、まずはお気軽にご連絡ください。
■ お問い合わせ・ご相談
相双地方振興局 企画商工部
住所:〒975-0031南相馬市原町区錦町1-30
TEL:0244-26-1117
E-mail:souso.kikakushoukou@pref.fukushima.lg.jp
南会津エリア(下郷町、只見町、南会津町、檜枝岐村)
\このコーディネーターさんに聞きました!/
南会津地方振興局
矢沢鉄雄さん
移住コーディネーター歴2年
移住コーディネーターになったきっかけを教えてください。
南会津地方振興局独自の取り組みで「南会津移住者ネットワーク」という団体があり、そこに参加したことがきっかけです。出身は只見町ですが、幼い頃に転出して郡山市で育ちました。その後は旅行会社に就職し、日本中を転々としながら過ごし、退職と同時に南会津町にやってきました。
移住者としての経験を活かし、移住希望者のサポートができたらうれしく思います。
南会津エリアへの移住希望者にはどのような方が多いですか?
40〜50代の単身の男性が多いですね。定年退職して田舎暮らしを希望する方のほか、コロナ禍でリモートワークになり仕事を継続しながら移住する方もいらっしゃいます。それから南会津エリアのブランド野菜である「南郷トマト」の農家として就農する方も増えています。また、南会津エリアはスキー場が5つもあり、都内からもっとも近いパウダースノーが楽しめるスポットとして有名なんです。前述のトマト農家になった方の中には、春から秋はトマトの栽培と出荷をして冬はスキーざんまいと、仕事と趣味を楽しんでいらっしゃいます。
どのような相談が多いですか?
雪国の暮らしについてのご相談が多いです。やはり雪道の運転を不安に思う方が多いようです。これはもう慣れるしかありません!あとは地域の方とどのようなコミュニケーションが必要なのかなど、近所付き合いに関する質問もよくいただきます。私は移住して7年目ですが、やはり最初はよそ者扱いでした。それでも挨拶をしたり地区の行事に参加したりしているうちに、だんだんと受け入れてもらえるようになりました。じっくり時間をかけてお付き合いしていくことが大切だと思います。
南会津エリアの魅力を教えてください。
周囲の人が親切で面倒見がいいことですね。寒い地域は人が温かいと言いますが、南会津はまさにそんな場所です。
自然環境も魅力で、田んぼに植えられた稲の早苗が青々と育ち、秋に黄金色になる様子を見ているだけで心が和みます。私は日本酒が好きなので、南会津にある4つの酒蔵が季節限定で出荷するお酒を毎回楽しみにしています。地元の旬のものと一緒に味わうと格別なんですよ。
今後の抱負をお聞かせください。
何度かこちらに来ていただき、地域の実情を知った上でいいなと思って移住してくださる方がいればこんなにうれしいことはありません。
仕事に関しては農業法人や地元企業の求人情報のほか、地域おこし協力隊の募集情報などもご紹介できます。移住後に起業された方もいれば、かやぶき屋根職人になった方もおり、さまざまな生き方が実現できる場所です。
地域事情に明るくないと分からないことも多いと思うので、ぜひ気軽に何でもご相談ください。自分自身の移住体験談も交えながら、南会津エリアの魅力をお伝えします。
■ お問い合わせ・ご相談
南会津地方振興局 企画商工部
住所:〒967-0004南会津町田島字根小屋甲4277-1
TEL:0241-62-5265
E-mail:iju-minamiaizu@pref.fukushima.lg.jp
まずは相談が移住への第一歩
大らかで姉御肌タイプの鈴木さん、釣り好きで穏やかな人柄の松本さん、そしてご自身も移住者として南会津での暮らしを満喫中の矢沢さん。
移住希望者への向き合い方はそれぞれですが、どのエリアのコーディネーターさんも地域のため、移住希望者のために、信念を持って仕事に向き合っていることが伝わってきました。
信頼の置ける移住コーディネーターとの出会いは、移住を一歩前進させるきっかけになるはずです。福島県会津・浜通りエリアへの移住を考えている方は、今回ご紹介した3名に相談してみてはいかがでしょうか。
この記事に関するお問い合わせ先
福島県ふくしまぐらし推進課
住所:〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話番号:024-521-8023
ファックス番号:024-521-7912
お問い合わせはこちらから↓
https://www.pref.fukushima.lg.jp/form/detail.php?sec_sec1=38&check
更新日:2023年03月23日