人と文化が集う、福島県内のコミュニティスポット3選

更新日:2023年01月24日

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福島県内には、人と人、人と地域をつなぐ、個性豊かなコミュニティスポットがたくさんあります。

今回は、郡山市にある「Blue Bird apartment.(ブルーバードアパートメント)」、いわき市の「Guesthouse & Lounge FARO iwaki(ゲストハウス&ラウンジ ファロ いわき)」、白河市の「コミュニティ・カフェ EMANON(エマノン)」の3施設をピックアップ。どのようなヒト・モノ・コトが集まっているのか、利用すると地域とどのようなつながりが築けるのかについて、各施設の代表にお話を伺いました。

観光や仕事で福島を訪れた際に、ぜひ立ち寄ってみてください。

郡山市|Blue Bird apartment.

東京駅から東北新幹線で約80分。南東北地方の商業の中心として発展してきた郡山市は、2024年に市制施行100周年を迎えます。開湯800年余りの名湯・磐梯熱海温泉や、日本で4番目の広さを誇る猪苗代湖などの観光スポットを有しています。また、平成20年に「音楽都市」を宣言しており、まちなかでは、市民による音楽イベントが頻繁に開催され、道端には音をモチーフとしたイスやベンチがまちに彩りを与えています。

築45年のビルをリノベーションした複合施設

郡山駅から徒歩約10分の場所にある「Blue Bird apartment.」は、老舗の美容室だった築45年の4階建てビルをリノベーションし、2019年2月にオープンしました。

1階の喫茶店

1階の喫茶室(カフェ)では、こだわりの食材を使用した軽食やコーヒーを提供しています。一番の特徴は、地元の書店と連携した本屋機能があるところ。デザインやコミュニティづくりに関する本、そして、一般的な書店には置いていないような希少本などをデザイナーが選書し、数ヶ月に1度、すべての本が入れ替わります。本以外にも、おしゃれな輸入雑貨、文房具、アパレルなどが置かれていて、新しいカルチャーとの出会いを楽しめることも魅力のひとつ。

2階には、Blue Bird apartment. のマネジメントなどを行う「一般社団法人ブルーバード」と地域に根差したデザインファーム「ヘルベチカデザイン株式会社」が拠点を構えています。

3階のクリエイターズオフィス

3階には「クリエーターズオフィス」と称される、全5室のスモールオフィスを展開。予約状況によって2時間からのスポット利用や中長期の利用が可能です。入居者が利用できるシェアスペースでは、会社の垣根を越えてコミュニケーションを取ることができます。

4階のイベントスペース

4階には、アウトドアブランドとコラボしたキャンプギアが設置されたイベントスペースが広がっています。これまでに、ヨガやウクレレのサークル活動、スパイスカレー教室のイベント、 東京の古着屋のポップアップストアの会場などに利用されています。また、学生団体による全国サミットの活動拠点としても利用され、地域内外をゆるやかにつないできました。

まちにデザインとの接点を増やす

Blue Bird apartment.を運営する「一般社団法人ブルーバード」と「ヘルベチカデザイン株式会社」代表の佐藤哲也さんによると、施設のコンセプトは「訪れる人たちに、デザインの新しい切り口を伝えよう」というもの。

「八百屋さん」や「魚屋さん」のように、まちの風景に自然に溶け込む「デザイン屋さん」になっていけるよう、カフェという業態を選択。デザインを意識してもらえる空間をつくり、デザインに関する本やデザイン性の高い雑貨に触れて、デザインの楽しさを感じてもらう。地域の人がデザインに親しむ入り口として運営しています。

カフェは、平日はビジネスマンや主婦の利用が多く、夕方になると学生の姿が増え、週末はカップルのデートスポットにもなるのだそう。「日常使いもうれしいけど、僕が特にうれしいのは、帰郷した人が地元の友達や家族との待ち合わせに使ってくれているシーン。ここが『みんなが帰って来られる場所』になっていくといいですね」と、佐藤さん。

佐藤さんからのメッセージ

カフェには、福島の”今”を知ることができるリーフレットなどをたくさん置いています。ここで「今、福島ではどんなことが起こっているのか?」を知り、また訪れたい!と思って頂けるような目的地になれればとてもうれしいです!

Blue Bird apartment. (ブルーバードアパートメント)

住所:〒963-8005 福島県郡山市清水台1-8-15

TEL:024-954-8744

HP:https://bluba.jp/

アクセス:郡山駅から徒歩約10分

全館Wi-fi完備、ご予約や見学は公式サイトのフォームより

いわき市|Guesthouse & Lounge FARO iwaki

いわき市は「浜通り」と呼ばれる福島県沿岸地域の、南部に位置するまち。東北地方で2番目に人口が多い都市で、福島県では最大の人口と面積を誇ります。夏と冬の気温差が少ない温暖な気候が特徴で、市内各所にある漁港では、カツオ、サンマ、アンコウなどの新鮮な魚が水揚げされています。
東京駅からいわき駅までは、JR常磐線でおよそ2時間20分。車の場合は、東京(三郷JCT)からいわき中央ICまで、常磐自動車道経由で約2時間。
映画「フラガール」の舞台になった「スパリゾートハワイアンズ」や、東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」、海水浴場など、家族で楽しめる観光地があることでも人気です。

人々が集い、自由に行き交うラウンジ&ゲストハウス

いわき駅から徒歩約3分のところにある「やまとビル」。2020年1月、このビルの1階と2階に、ラウンジを兼ね備えたゲストハウス「Guesthouse & Lounge FARO iwaki」(以下、FARO)がオープンしました。

1階にあるラウンジは、宿泊者も、宿泊されない方も、FAROを訪ねたすべての方が利用でき、コーヒーや地酒、いわき産の食材を使った軽食を楽しむことができます。
同フロアには、少人数のワークショップなどで利用できる時間貸しの「栃の一枚板のシンボルテーブル」、棚ごとにオーナーがいるレンタル本棚「FARO書房」、個人や団体が出店できるポップアップストアコーナーなども設けられていて、施設を訪れた方や地域の方が自然と交流できる工夫も。
これには、「ワークショップの参加者も、カフェの客も、みんなが同じ開かれた空間で過ごすことで、出会うはずのない人同士が出会える場所になれば」という、FARO代表の北林由布子さんの願いが込められています。

2階は、ゲストハウスの宿泊スペース。お客さまが快適に過ごせるよう、地元の木材でベッドを組んだり、漆喰の壁に九州の火山灰を使用したりと、自然素材へのこだわりが随所にちりばめられています。全室内鍵付きで、女性も安心して利用できますよ。

街を明るく照らす「灯台」のような場所を目指して

北林さんは、2004年に、やまとビルの3階にイタリアンバール「La Stanza(スタンツァ)」をオープン。同ビルでアレンジメントフラワーのお店と洋服屋を経営していた両親の引退を機に建物の1階と2階部分を受け継ぎ、2020年にFAROオープンしました。

FAROはイタリア語で「灯台」。「いわき市、浜通りのハブとしてFAROを利用していただき、FAROを入口に、光が照らす次の行き先を見つけてほしい」という願いが込められています。

ゲストハウスの利用者は20~30代が多く、中には日本一周をしている学生の姿も。キッチンで若者と高齢の方が一緒にお酒を飲んでいたりして、多世代の交流も見られるのだそう。
毎年3.11が近くなると「自分の目で被災地を見たい」と、日本全国から旅人が浜通りにやってきます。そんな旅人たちの何組かが意気投合して一緒に行動したり、ラウンジにいた地元の人が目的地まで車で送って行ってあげたり。FAROでは、旅人と地元の人との交流も自然と生まれています。

北林さんからのメッセージ

FAROはコロナ禍の真っただ中にオープンしました。当初は「人が集まるラウンジを開けていてもいいのかな?」と悩みましたが、地域に開かれた場所にしたかったので、宿泊の受入が出来ない時期もラウンジだけは営業を続けて来ました。ぜひ、お茶を飲みにでも、おしゃべりにでも、いつでもお越しください。

Guest House & Lounge FARO iwaki

住所:〒970-8026 福島県いわき市平3-8-2 やまとビル

TEL:0246-25-7188

WEB:https://faro-iwaki.jp/

アクセス:JRいわき駅南口から徒歩約5分

Wi-fi完備、宿泊予約は公式サイトのフォームより

白河市|コミュニティ・カフェ EMANON

福島県中通り南部にある白河市は、奥州の三大関所の一つとして、古くから「交通の要」として発展してきました。東京駅から新白河駅までは東北新幹線で約80分とアクセスもよく、温暖で年間を通して過ごしやすい気候も魅力。

国指定史跡の小峰城や、南北への人や物資の往来を取り締まった「白河関跡」など、歴史的な観光名所が現存するまちです。

築90年の空き家をリノベーションした古民家カフェ

白河駅から徒歩約5分の場所に「コミュニティカフェ EMANON」(以下、EMANON)はあります。築90年の空き家をリノベーションした古民家カフェで、2016年3月にオープンしました。

EMANONのテーブルや椅子は、白河市や福島県中通りに位置する矢祭町の製材所から木材を仕入れ、スタッフ自らDIYしたもの。器は浪江町大堀地区に伝わる「大堀相馬焼」、コーヒーは矢祭町の珈琲店の豆、ミルクは郡山市石筵(いしむしろ)産のものを使うなど、福島県産の素材にこだわっています。

EMANONを会場に、ワークショップや展示会、映画の上映会などのイベントも不定期開催。高校生は学割価格で、電源・Wi-Fi使い放題の「高校生びいきのカフェ」でもあります。

カフェ内には誰でも書き込めるホワイトボード「まちのつぶやき掲示板」や「アルムナイ図鑑(卒業生や同窓生に関する情報をまとめたもの)」などのコミュニケーションツールを設置。地元の方やカフェを訪れた県内外の人が気軽にコミュニケーションを取れる場になっています。

コミュニティやコミュニケーションが生まれやすい空間

EMANON代表の青砥和希さんは、カフェオープンのきっかけについて「白河市には大学がないので、多くの高校生は進学を機に白河を離れます。高校生活最後の3年間、自宅と学校の往復だけでは出会えない人と出会い、地域を知ってもらいたいという想いからスタートしました」と話します。

EMANONは、地元の高校生にとっては「気軽に集い、憩える安心安全な場」ですが、白河にゆかりのない人にとっては「出会いと創造の場」になると青砥さんは考えています。それは、青砥さんやカフェスタッフと話すうちに、その想いに共感し「伝統工芸を復活させたい」「白河を研究のフィールドにしたい」「地域コミュニティづくりに関わりたい」と考えるようになる学生や利用者も多いため。カフェで仲良くなった利用者同士でボードゲームサークルを立ち上げる方もいて、コミュニティやコミュニケーションが生まれやすい、EMANON特有の雰囲気があります。

EMANONから徒歩約5分の場所には、青砥さんの経営する、コワーキングスペースを併設した「Guest House Blanc(ゲストハウス ブラン)」も。コワーキングスペースで仕事をしながら、EMANONやゲストハウスを組み合わせて利用すれば、より面白い出会いが生まれるかもしれません。

青砥さんからのメッセージ

EMANONは、高校生や若者、初めて東北に足を踏み入れる人々が、気軽に白河の地域コミュニティに入って行ける場所でありたいと思っています。白河は車がなくても街歩きがしやすいので、「田舎は初めて」という方にも最適です。

ぜひ一度EMANONに来て、未知の地域や未知の自分に出会いに来てください。ネット検索や動画視聴だけではわからない、地域のリアルな魅力を体感していただけるはずです。

コミュニティ・カフェ EMANON

住所:〒961-0905 福島県白河市本町9番地

TEL:0248-57-4067

HP:https://emanon.fukushima.jp/

アクセス:JR東北本線白河駅から徒歩約5分/東北新幹線新白河駅からタクシー約10分

Wi-fi完備、イベントや施設の予約は公式サイトの各フォームより

この記事に関するお問い合わせ先

福島県ふくしまぐらし推進課

住所:〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話番号:024-521-8023
ファックス番号:024-521-7912

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